前回の記事では、寝たきりの方の服のシワが、皮膚への負担になることについて書きました。皮膚を守るためには、服の素材や形、シワを整えることだけでなく、皮膚そのものの状態も大切だと感じています。私の勤めていたところでは、入浴後に保湿剤を塗っていました。今回は、元介護士として感じた「保湿の大切さ」についてまとめます。
寝たきりの高齢者の方は、皮膚が乾燥していることがある
高齢の方は、水分の摂取量や栄養状態、病気など、さまざまな原因で皮膚が乾燥しやすくなることがあります。皮膚が乾燥すると、粉をふいていたり、ハリが少なくなっていたりすることもあり、健康な皮膚に比べて刺激に弱くなりやすいと感じていました。
寝たきりの場合、自分で身体を動かすことが難しい方もいます。刺激や違和感があっても、自分で服のシワを伸ばしたり、体の向きを変えたりすることができない場合があり、小さな刺激でも同じ場所に続けば、赤みから傷につながり、さらに褥瘡のように悪化していくこともあります。そのため、寝たきりの高齢者の介護では、できるだけ刺激を取り除くことが皮膚を守るために大切だと感じています。
入浴後の保湿は、皮膚を守るケアのひとつ
健康な方にも言えることですが、入浴後は皮膚が乾燥しやすくなります。私の勤めていたところでは、入浴後には保湿剤を塗ることが決まっていました。保湿というと、美容のためのものと感じる方もいるかもしれませんが、介護においての保湿は、皮膚を守るためのケアのひとつでもあると感じています。皮膚の乾燥を防ぐことで、少しの刺激による赤みや傷を防ぎやすくなることがあります。
保湿している皮膚は、介助するときにも違いを感じることがあった
ケアをしていると、保湿できている方と乾燥が強い方では、皮膚の状態に違いを感じることがありました。保湿できている皮膚はカサカサしにくく、着替えのときの少しの刺激でも、赤みや皮膚めくれができにくいように感じていました。服のシワが身体に当たっているのを見つけたときも、圧迫したあとがあっても、赤みや傷にはなっていないこともありました。
反対に、乾燥が強い方は、少しの刺激で赤みや皮膚めくれができてしまう場面を多く見てきました。その経験もあり、皮膚の乾燥がある方は、着替えのときだけでなく、身体に触れるときにも特に慎重にケアを行っていました。
まとめ|保湿も介護しやすい服選びとつながっている
服を整えること、刺激を少なくすること、皮膚を保湿すること。どれかひとつだけで十分というより、できることを少しずつ重ねていくことが、介護される本人の苦痛を少なくすることにつながると思います。
介護しやすい服を考えることは、着替えの介助をしやすくするだけではありません。本人の皮膚を守るためにも、大切なことだと感じています。
「介護しやすい服」シリーズ
第9回:元介護士が感じた「保湿」が大切な理由
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