入院や施設入所のときに準備した服が、その後もずっと使いやすいとは限りません。病状や身体の状態の変化によって、今まで着ていた服が着替えにくくなることがあります。関節の拘縮が強くなったり、身体にむくみが出たり、皮膚の状態が変わったりすることもあります。そのようなときは、服を見直すタイミングかもしれません。今回は、私が元介護士として感じた、介護しやすい服を見直すタイミングについてまとめます。
今までの服が着替えにくくなることがある
入所時や入院時には着られていた服でも、病状や身体の状態の変化によって、着替えにくくなることがあります。関節の拘縮が強くなること、身体にむくみが強く出ること、皮膚の乾燥が強くなること、全身状態が悪くなること。寝たきりの方の身体には、さまざまな変化が起こることがあります。
そのような状態になると、今まで着ていた服が合わなくなることもあります。服を着替えるだけでも、本人に痛みや負担がかかることがあります。だからこそ、身体の状態が変わってきたときは、今の服が着替えやすいかどうかを見直すことも大切だと感じています(体の状態の変化とご家族へのお願いについては、こちらの記事でも詳しく書いています)。
拘縮や痛みが出てきたとき
関節の動く範囲が狭くなり、身体が硬くなってくると、身体を動かすだけで痛みを感じる方もいます。腕や肩が動かしにくくなると、袖に腕を通すことも難しくなってきます。今まで着られていた服でも、袖を通すときに痛みが出たり、身体を大きく動かさないと着替えられなかったりすることがあります。
着替えのときに痛みを感じるようであれば、服を見直すタイミングかもしれません。前開きの服、伸縮性のある服、やわらかい生地の服など、身体への負担が少ない服を検討してもらいたいと感じています。
皮膚めくれや赤みが気になるとき
服が今の身体の状態に合っていないと、赤みや皮膚めくれにつながることがあります。生地が硬かったり、シワになりやすかったりすると、寝たきりの方の皮膚には負担になることがあります。マジックテープやボタンなどの留め具が、身体に当たっていないかも気をつけたいところです。
袖口のゴムがきつくないか、身体にあとがついていないか、服のシワが背中や腰、お尻の下に入り込んでいないか。そうした小さなことも、皮膚への負担につながることがあります。赤みや皮膚めくれが気になるときは、服の素材や形、サイズが今の身体に合っているかを見直してみることも大切だと思います。
体型が変わったとき
身体にむくみが強く出たり、逆に痩せたりすることもあります。体型が変わると、今まで着ていた服が合わなくなることがあります。むくみが強いと、袖口や裾、ウエストまわりがきつく感じることがあります。反対に、痩せて服が大きくなりすぎると、服がよれたりシワになったりしやすくなります。
施設や病院では、定期的に体重を測っていることも多いと思います。気になるときは、体重の変化や身体の状態について尋ねてみてもいいかもしれません。
洗い替えが足りないとき
衣類の枚数が足りない、サイズが合っていない、汗をよくかくようになった、食事や排泄などで服が汚れやすくなった、洗濯のタイミングが合わないなど、洗い替えが足りなくなる理由はいろいろあります。
服の枚数が足りないと、着替えたいときに着替えられなかったり、施設や病院側で一時的に対応が必要になったりすることもあります。洗い替えが足りないと感じたときは、施設や病院の方と相談しながら、必要な枚数を調整してもらえると安心です。服を見直したり買い足したりするときのチェックポイントは、こちらの記事にもまとめています。
まとめ|服は一度準備したら終わりではない
病状や身体の状態が変わると、今まで着ていた服が合わなくなることがあります。拘縮や痛みが出てきたとき、皮膚めくれや赤みが気になるとき、むくみや体重の変化があるとき、洗い替えが足りないとき。そのようなときは、服を見直すタイミングかもしれません。
面会に行ったときなどに、スタッフと少しずつ言葉を交わしていると、日ごろの様子や身体の状態について話しやすい関係につながっていくと感じています。服についても、ご家族から質問をいただくことよりも、私たちスタッフの方から「こういった服をお願いできますか」とお願いすることの方が多かったように思います。だからこそ、スタッフから服について声をかけられたときは、遠慮せずに理由や今の状態を聞いてみてもらえたら嬉しいです。
服は一度準備したら終わりではなく、そのときの身体の状態に合わせて見直していくことが大切だと感じています。この記事が、介護しやすい服を見直すタイミングで迷っている方の参考になれば嬉しいです。
「介護しやすい服」シリーズ
第18回 元介護士が感じた、介護しやすい服を見直すタイミング

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