寝たきりの方の服を選ぶとき、ご家族は迷うことが多いと思います。
何枚くらい用意すればいいのか。本人の好きな服と、介護しやすい服のどちらを優先したらいいのか。
初めて介護が必要になったときは、わからないことが多くて当然だと思います。今回は、私が元介護士として感じた、寝たきりの方の服選びでご家族が迷いやすいことについてまとめます。
何枚くらい用意すればいいのか迷うこともある
初めて介護に関わるとき、服を何枚くらい準備すればいいのか迷うことがあると思います。
食事や排泄などで着替えをすることが多かったり、汗をかきやすかったりする方の場合は、少し多めに準備しておくと安心です。着替えが足りなくなると、本人も介助する側も困ることがあります。
ただ、たくさん用意すればいいというわけでもありません。施設や病院の入浴回数、洗濯の方法、保管場所などによっては、持ち込める枚数が限られることもあります。また、ご家族が洗濯をするのか、施設や病院で洗濯をするのかによっても、必要な枚数は変わってきます。
そのため、服の枚数で迷ったときは、本人の身体の状態や日々の様子をよく知っている施設や医療関係者に相談してみるのがおすすめです。「何枚くらいあると安心ですか?」と聞いてみるだけでも、準備しやすくなると思います。
本人の好みと介護しやすさ、どちらを優先するか迷うこともある
ご家族からすれば、「この服が好きだったから着せてあげたい」と思うこともあると思います。服には、その人の好みや思い出があることもあります。だからこそ、ご家族が本人の好きだった服を用意したいと思う気持ちは、とても自然なことだと思います。
ただ、その服が今の本人の身体の状態に合わない場合は、一度相談してみても良いかもしれません。
寝たきりの方の着替えは、本人に負担がかかることが多いです。腕が動かしにくかったり、痛みがあったり、皮膚が弱くなっていたりすると、好きだった服でも着替えの負担になることがあります。「本人が好きだった服」が、今の身体の状態では介護に合わないこともあります。
もし本人の好みを取り入れたい場合は、服以外のもので取り入れる方法もあると思います。たとえば、花柄のタオルや、好きな色のひざ掛け、やわらかい素材の小物などです。本人らしさを大切にしながら、今の身体に負担が少ない形で取り入れられると良いと思います。
迷って当然、だからこそ相談してほしい
介護用品でそろえるべきか、市販品で代用できるのかも、初めての方が迷いやすいポイントです。以前の記事でも触れましたが、大切なのは介護用品かどうかではなく、今の本人の身体の状態に合っているかどうかです。
服の枚数も、本人の好みも、介護用品か市販品かも、正解がひとつに決まっているわけではありません。だからこそ、迷って当然だと思います。
言葉や文章だけでは、どんな服を選べばいいのかわかりにくいこともあります。迷ったときは、本人の身体の状態をよく知っている施設や病院、介護している人に相談してみてください。もし実際に使っている服があれば、見本として見せてもらうのもおすすめです。
買ってから「使いにくかった」となると、ご家族にとっても負担になります。だからこそ、迷ったときは買う前に相談してもらえると良いと思います。
まとめ|迷ったときは、本人の負担が少ない服かどうかを考える
服は何枚くらい必要なのか。本人の好みと介護しやすさのどちらを優先すればいいのか。
初めて介護に関わるときは、迷うことがたくさんあると思います。大切なのは、「今の本人の身体の状態に合っているか」です。
本人の今の身体の状態をよく知っている人と相談しながら、本人にとって負担の少ない服を選んでもらえると嬉しいです。
「介護しやすい服」シリーズ
第15回 「元介護士が伝える、寝たきりの方の服選びでご家族が迷いやすいこと」
「介護しやすい服」シリーズ
第1回:元介護士だった私が「介護しやすい服」について書こうと思った理由
第5回:元介護士が感じた「頭からかぶる服」が難しい理由
第6回:元介護士が感じた、着替え介助で大切な「袖の通しやすさ」
第10回:元介護士が感じた「一人ひとり似合う服は違う」ということ
第11回 : 元介護士が伝える、体の状態が変わったときに服の変更をお願いしていた理由
第12回 : 元介護士が伝える、介護しやすい服選びで一番伝えたいこと

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