介護職が感じた、着替え介助で大切な「袖の通しやすさ」

介護職から見た服選び

介護しやすい服を考えるとき、「前開きの服がいい」と言われることがあります。

たしかに、前開きの服は頭からかぶる服に比べて、生地が大きく広がるので着替えの介助がしやすいと感じます。

でも、寝たきりの方や腕が動かしにくい方の場合、前開きだけでは足りないこともあります。

私が介護の現場で感じていたのは、介護しやすい服には「前開き+伸縮性」が大事だということです。

今回は、寝たきりの方や腕が動かしにくい方の服を選ぶときに、私が大切だと感じている「袖の通しやすさ」について書いてみます。

介護しやすい服は「前開き」だけでは足りないこともある

前開きの服は、頭からかぶる服に比べて生地が大きく広がるところが良いところです。

ただ、伸縮性が少ない生地だと、腕を通すときに服を強く引っぱらないといけなかったり、動きにくい腕をなるべく動かしながら袖を通したりすることがあります。

寝たきりの方や腕が動かしにくい方にとっては、それだけでも負担になることがあります。

介助する側も、無理に腕を動かさないように気をつけながら着替えをするので、とても慎重になります。

前開きの服は介護しやすい服のポイントのひとつですが、それに加えて生地の伸縮性も大事だと感じています。

袖口が細いと、着替えの介助がしにくい

前開きと伸縮性が大事だと書きましたが、もうひとつ見てもらいたいのが袖口です。

袖口が細い服だと、介助者の手が入りにくく、着替えの介助に時間がかかることがあります。

本人の手を袖に通すとき、介助者は袖の中に手を入れて、本人の手を迎えにいくようにして介助することがあります。

そのときに袖口が細いと、介助者の手が入りにくく、スムーズに袖を通しにくくなります。

また、服が皮膚に引っかかることもあります。

高齢の方は皮膚が弱くなっていることも多く、無理に引っぱると皮膚めくれにつながることがあります。

骨が弱くなっている方もいるので、骨折につながらないように気をつけながら介助する必要もあります。

だからこそ、服を選ぶときは、袖口の大きさも確認してもらえると嬉しいです。

腕が上がりにくい方には、袖にゆとりがある服がラク

拘縮などで腕が動かしにくい方には、服のサイズにも少しゆとりがある方が介助しやすいと感じます。

体にぴったりした服は見た目はスッキリしているかもしれませんが、介助が必要な方の場合、着替えのときに負担になることがあります。

服にゆとりがあると、腕を無理に動かさなくても袖を通しやすくなります。

もし新しく服を購入する場合は、伸縮性がある生地かどうか、袖口が大きめかどうかを見てもらえると良いと思います。

袖口にゴムが入っている服の場合は、ゴムがきつすぎないかも確認してもらいたいです。

袖口のゴムがきついと、着替えのときに手が通しにくかったり、着たあとに手首のあたりが締めつけられたりすることもあります。

介護しやすい服を選ぶときは、見た目だけでなく「着替えやすさ」「本人がラクかどうか」も大事なポイントになると思います。

着替え介助では、痛みや不快感を少なくすることも大切

着替えは、本人にとって普段より大きく体を動かす動作になることがあります。

痛みが出たり、服を脱いでいる間に寒さを感じたりすることもあります。

でも、寝たきりの方の中には、痛みや寒さを自分で伝えることが難しい方もいます。

そのため、介助中は本人の表情を見ながら、痛みが出ていないか、不快そうではないかを確認しながら進めていきます。

寝たきりの方の着替え介助は、体を支える人と、服を着替える人に分かれて、2人で介助することが多いです。

服を着替える人は、本人に皮膚めくれや骨折がないように慎重に介助します。

そのうえで、痛みや寒さがなるべく少なくなるように、できるだけスムーズに着替えを進めていきます。

体を支える人は、本人の表情を見ながら、着替えがしやすいように体や服の位置を微調整します。

着替えの中でも、私が特にむずかしいと感じていたのが袖を通す場面です。

拘縮で手が動かしにくく、袖が通しづらいときは、服の肩部分を少し抜くようにして袖を通すこともあります。

それでも袖が通しにくいこともあり、そんなときは介助者を交代して介助することもあります。

着替えに時間がかかれば、本人はもちろん、一緒に介助して体を支えている介助者にも負担がかかります。

だからこそ、袖が通しやすい服は、本人にとっても介助する側にとっても大事だと感じています。

私が思う、介護しやすい袖のポイント

私が今までの介護経験の中で感じている、介護しやすい袖のポイントはこんな感じです。

やわらかく、伸縮性のある生地。

前開きの服。

袖口が大きめの服。

袖口にゴムが入っている場合は、ゴムがきつすぎない服。

腕を無理に動かさなくても着替えやすい服。

もちろん、介護しやすい服は本人の体の状態によって違うと思います。

腕の動きやすさ、拘縮の有無、皮膚の状態、寒がりかどうかなどによっても、合う服は変わってくると思います。

それでも、寝たきりの方や腕が動かしにくい方の服を選ぶときは、「袖の通しやすさ」もひとつのポイントとして見てもらえると良いなと思います。

まとめ|介護しやすい服は、袖の通しやすさも大事

私が今まで経験してきた中で、寝たきりの方の着替え介助は、袖の通しやすさがとても大事だと感じていました。

前開きの服は介護しやすい服のひとつですが、それだけではなく、生地の伸縮性や袖口の大きさも大切です。

袖が通しにくい服だと、本人に痛みや不快感が出ることがあります。

介助する側も、皮膚めくれや骨折がないように気をつけながら介助するため、負担が大きくなることがあります。

介護しやすい服は、それぞれの体の状態によって違うと思います。

それでも、服を選ぶときに「袖は通しやすいかな?」と少し見てもらえるだけで、着替えの負担が変わることもあると思います。

寝たきりの方や腕が動かしにくい方の服選びの、ひとつの参考になったら嬉しいです。

「介護しやすい服」シリーズ 
第6回:介護職が感じた、着替え介助で大切な「袖の通しやすさ」

「介護しやすい服」シリーズ

第1回:介護職だった私が「介護しやすい服」について書こうと思った理由

第2回:介護職が感じた「伸縮性のある服」が大切な理由

第3回:介護職が感じた「前開きの服」がおすすめな理由

第4回:介護職が感じた「ゆとりのある服」がおすすめな理由

第5回:介護職が感じた「頭からかぶる服」が難しい理由

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