寝たきりの方や、拘縮のある方の衣類について考えているとき、ふと気になったことがありました。
「介護しやすい浴衣って、あるのかな?」

前開きのパジャマや、全開でマジックテープで留めるタイプは、介護用品として広く出回っています。ケア寝巻きのように柔らかい浴衣は知っていましたが、着せやすい”浴衣型”のものは、あまり見かけたことがありませんでした。
まずはネットで探してみると
実際に「介護 袖が開く」と検索してみると、出てくるのは全開フルオープンタイプのパジャマばかりでした。袖の縫い目に沿ってマジックテープで開くタイプで、商品によっては、腕を通さずに袖の上から覆うようにかけられるものもあるようです。ただ、開く範囲が袖全体になる分、留め具の数も多く、ひとつひとつ留める手間は残ります。

私が知りたかったのは、それとは少し違うものでした。拘縮があって腕を大きく動かせない方でも、袖だけがスナップで開閉できれば、動かす範囲そのものを減らせるのではないか、というイメージです。
ざっと見た感じでは、そういったタイプの浴衣は見当たりませんでした。「もしかして、まだ世の中にないのかもしれない」と思いながら、もう少し探してみることにしました。
服選び全体については、介護しやすい服の選び方まとめ|元介護士が感じた大切なポイントでもまとめています。
探してみたら、ちゃんとありました
範囲を広げて探してみると、浴衣型の寝巻きに、袖にスナップがついた商品が見つかりました。綿100%のガーゼ生地で、日本製。実際に購入された方のレビューにも、関節拘縮で腕を伸ばせないご家族でも、皮膚をこすらずに着替えさせられた、という声が寄せられていました。
「あったらいいな」と思っていたものが、ちゃんと形になっていたことに、少しほっとしました。
価格:2970円 |
※こちらは男性用です。女性用の柄・サイズもあります。
使うなら、もう少しこうだったら
実際の商品を見て、いいなと思う一方で、現場目線で気になった点もありました。
生地が綿100%のガーゼだと、伸縮性があまりないので、腕を通さない仕様とはいえ、肌当たりや着せやすさの面ではもう一工夫あってもいいのかもしれません。個人的には、スムース素材のような柔らかく伸びのある生地で、縫い代を表側に出して丸めてある、ケア寝巻きのような作りだと、より快適だろうなと感じました。
また、スナップボタンを留める位置を間違えないための工夫があると、間違いに気づいて直す時間を減らすことができ、介助する側も安心して着替えさせられそうです。

これは「ない物ねだり」というより、実際に現場でたくさんの方の着替えを見てきたからこそ気づく、ささやかな改善点だと思っています。
ちなみに、袖は開きませんが、伸縮性がよく柔らかい素材で作られた浴衣タイプのケア寝巻きもあります。ニット素材で、袖付けが大きく作られているので、着せる・脱がせるという動作自体がしやすい作りになっています。同じ”介護×浴衣”というジャンルなので、素材面での理想に近いものとして、あわせて紹介しておきます。
介護 寝巻き 女性用 ニット おねまき 綿 (on478928) 婦人 パジャマ コットン 打合せ ねまき 寝間着 介護用 26aw 価格:5720円 |
※こちらは女性用です。男性用の柄・サイズもあります。
袖の開閉はできなくても、着せる・脱がせる動作そのものが少ない場面や、素材の肌当たりを優先したい場合には、こちらの方が合っている方もいらっしゃるかもしれません。
なぜ見つけにくかったのか

最初の検索だけでは出てこなかったのは、販売されているモールが違ったり、商品名に使われている言葉が、私が検索した言葉と噛み合っていなかったからだと思います。介護用品は、こういった”言葉のズレ”で、本当は欲しいものにたどり着けないことが、意外と多いのかもしれません。
気になる方へ
拘縮があって、腕を大きく動かすと痛みが出てしまう方の衣類でお悩みの方は、「浴衣型 介護 スナップ」といった言葉で探してみると、見つかりやすいかもしれません。
入院・入所時に持っていく服全般については、元介護士が伝える、入院・施設入所のときに持っていく服で気をつけたいこともあわせてご覧ください。
見つけにくいだけで、ちゃんと考えられた商品は、すでに存在していました。同じように悩んでいる方の参考になればうれしいです。

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