私は療養型病院で介護福祉士として20年以上働き、おもに寝たきりの方の介護をしてきました。
その中で、着替え介助をするときに「少しゆとりのある服は介助しやすいな」と感じる場面が何度もありました。
ピッタリした服が難しいと感じた理由
着替え介助では、介助者が袖の中に手を入れ、介護を受ける方の手を支えながら袖を通していきます。
そのとき、ピッタリした服だと介護を受ける方の手が入りにくかったり、袖を通すことが難しかったりすることがあります。
袖が通りづらいと、介助者を交代して着替えを行うこともありました。
また、皮膚めくれや骨折につながらないよう、より慎重に介助をする必要があるため、時間がかかることもあります。
入浴後は肌に張り付きやすいことがある
入浴後に身体を拭いても、少しの間は皮膚に湿り気があります。
これは、寝たきりの方も同じです。
私が働いていたところでは、入浴後に保湿剤を塗っていたため、時間が経ってもしっとり感が続いていることもありました。
入浴後、肌に服が張り付くような感覚を経験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ピッタリした服は、湿り気のある肌に張り付きやすく、着替え介助が難しく感じることがありました。
シワを伸ばすときにも気を使う
ピッタリした服は、シワを伸ばすために服を持ったとき、皮膚も一緒に持ってしまうことがあります。
高齢の方は皮膚が弱くなっていたり、たるみやすくなっていたりすることもあります。
そのため、服と一緒に皮膚を巻き込んでしまい、皮膚めくれにつながることもありました。
ゆとりがあると介助しやすかった
私は現場で、少しゆとりのある服のほうが介助しやすい場面が多いと感じていました。
介助者が介護を受ける方の手を支えながら袖を通しやすいこと。
入浴後の湿り気がある身体でも、皮膚の状態を見ながら介助しやすいこと。
シワを伸ばすときに、服と一緒に皮膚を引っ張ってしまうことが少ないこと。
このような場面で、少しゆとりのある服は助かることがありました。
大きすぎればいいわけではない
ただし、大きすぎる服を選べばいいというわけではありません。
身体のサイズに比べて大きすぎる服は、余分な布ができてしまい、シワになりやすいことがあります。
寝たきりの方は、服のシワにも配慮が必要です。
そのため、サイズ選びに迷ったときは、ご本人の身体の状態をよく知っている介護職や医療職に相談しながら選ぶと安心だと思います。
身体の状態に合わせて選ぶことが大切
寝たきりの方は、同じような状態に見えても、拘縮や弛緩の状態、皮膚の弱さ、痛みの出やすさなどは一人ひとり違います。
だからこそ、介護が必要な方の服を選ぶときは、身体の状態に合わせて選ぶことが大切だと感じています。
介護を受ける方にも、介助をする方にも、少しでも負担の少ない衣類を選んでもらえたら嬉しいです。
「これが正解」という話ではありません。
ご本人の身体の状態や生活環境、ご家族の考え方によって、合う服はそれぞれ違います。
そのうえで、服選びに迷ったとき、「少しゆとりのあるサイズ」も一つのポイントとして考えてもらえたら嬉しいです。
「介護しやすい服」シリーズ
第4回:介護職が感じた「ゆとりのある服」がおすすめな理由
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