寝たきりの方の体位変換は、病院や施設では2人がかりで行うことも多いケアです。それを在宅で一人で行うのは、体力的にも技術的にも簡単なことではありません。
「ちゃんと寝返りさせてあげないと」「決まった時間ごとに体位変換しないと」。そう思って、無理をしてしまっているご家族も多いのではないかと思います。
でも、全身をしっかり動かせなくても、圧のかかる場所を変えることはできます。今回は、一人での体位変換が難しいときに、私が現場で意識していた考え方についてまとめます。
全身を動かせなくても、部分的に圧を逃がせる
体位変換というと、身体全体の向きを変えることをイメージするかもしれません。でも、一人で身体全体を大きく動かすのは、力の面でも難しいことがあります。
そんなときは、頭やかかとなど、圧がかかりやすい一部分だけを少し浮かせるだけでも、圧のかかる場所は変わります。全身を動かすことに比べれば負担は少なく、それでも本人の身体にとっては意味のある変化になります。
もちろん、皮膚の状態や栄養状態によって個人差はあります。すでに赤みがある場合や、皮膚が弱い方の場合は、部分的な除圧だけでは足りないこともあるため、訪問看護師さんなどに相談しながら進めることをおすすめします。
身近なものでも、除圧の工夫はできる
腕にナイロン袋をかぶせて、身体の下にすべり込ませるだけでも、身体を滑らせやすくなり、負担の少ない除圧につながります。手袋のように使うので、専用の道具がなくても試しやすい方法です。
もしエアマットを借りている場合は、マットの気室(空気の入った部分)を手で少し押し下げるだけでも、圧のかかり方を変えることができます。全身を動かすより、ずっと少ない力で行えます。
完璧を目指さなくていい
一人で介護をしていると、「もっとちゃんとやらないと」と自分を責めてしまうことがあるかもしれません。
でも、病院や施設でも、体位変換は一人ではなく複数人で担っているケアです。それを一人でこなそうとすること自体が、本来とても大変なことなのだと思います。
できる範囲で、圧のかかる場所を変えてあげる。それだけでも、十分に意味のあるケアです。すべてを完璧にできなくても、自分を責める必要はありません。
まとめ
一人での体位変換が難しいときは、全身を動かすことにこだわらず、頭やかかとなど部分的に圧を逃がすだけでも意味があります。皮膚の状態が気になるときは、訪問看護師さんなど専門職に相談しながら、無理のない範囲で続けてもらえたらと思います。

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