面会のときに、髪の乱れや頭皮のにおいが気になることはないでしょうか。髪はその人の印象に関わる場所でもあり、整っているとご家族から見ても安心することがあると思います。
一方で、寝たきりの方の場合、自分で髪をとかしたり、頭皮の状態を伝えたりすることが難しいこともあります。
私が勤めていたところでは、理容師さんが週に2回ほど来てくださり、予約をしてカットやカラーをしてもらうことができました。髪が長くなってきた方や、終末期が近くなってきた方は、できるだけ優先して予約を取るようにしていました。
今回は、私が元介護士として感じた、寝たきりの方の髪・頭皮のケアで大切なことについてまとめます。
汗や皮脂のにおいも、見過ごせないケア
汗や皮脂、汚れがたまると、頭皮のかゆみやにおいにつながることがあります。寝たきりの方の場合、自分で頭をかいたり、気持ち悪さを伝えたりすることが難しいこともあります。
入浴のときにシャンプーをしていても、きれいに洗いきれていないこともありました。特に、脂性の方は頭皮がベタつきやすく、脂漏性湿疹のようになることもありました。そのようなときは、私が勤めていたところでは、ベビーオイルでふやかしてから時間をおいて入浴するなどの対応をしていました。頭皮の状態によっては、看護師さんなどに相談しながら対応することも大切だと思います。
寝たきりの方の髪は、もつれやすいことがある
寝たきりの方は、枕との摩擦や頭の動きによって、髪がもつれやすいことがあります。頭の動きが多い方の場合、髪が長いと、もつれてダマのようになってしまうこともありました。無理にとかすと、頭皮への負担にもなります。
そのため、私の経験では、寝たきりの方の髪は短めの方が扱いやすいと感じていました。シャンプーもしやすく、乾きやすく、もつれにくいためです。
ただし、髪の長さには本人のこだわりがある場合もあります。長い髪が好きだった方、ずっと同じ髪型を大切にしていた方もいます。そのような場合は、本人の思いやご家族の気持ちも大切にしながら、無理のない形を考えると良いと思います。
現場では、髪のケアが後回しになることも…
本当は、毎日少しでも髪を整えられたら良いと思います。でも現場は、次から次へとやることに追われる毎日です。食事や排泄、入浴、移乗の介助はもちろん、ナースコール対応にも追われます。
その忙しさの中で、髪をとかすことや頭皮の状態を見ることが、後回しになってしまうこともありました。小さなケアに見えるかもしれませんが、本人が気持ちよく過ごすためにも、大切なケアだと感じています。
髪を整えることは、その人らしさにもつながる
髪型は、その人の印象に大きく関わるものだと思います。髪を整えるだけで、表情や雰囲気が変わって見えることもあります。
寝たきりになったり、自分で髪を整えることが難しくなったりしても、その人らしさまでなくなるわけではありません。髪をとかすこと、好きだった髪型に近づけること、清潔に保つこと。そうしたことは、本人を大切に扱うことにもつながると感じています。
気になったときは、スタッフの方に一言添えてみる
面会のときに、髪の乱れや頭皮のにおい、髪のもつれなどが気になったら、スタッフの方へ声をかけてみても良いと思います。
「髪のもつれが気になるので、時間があるときに見てもらえたら助かります」
責めるような言い方にせず、こんなふうに一言添えるだけで、現場にも受け取ってもらいやすくなると思います。
また、ご家族が髪をとかしてあげたいと思うこともあるかもしれませんが、頭皮の状態や点滴・チューブ類、施設や病院のルールによっては気をつけることもあります。自己判断で行う前に、スタッフの方へ確認してからの方が安心です。
まとめ|髪・頭皮のケアは、気持ちよさとその人らしさにつながる
髪や頭皮のケアは、清潔を保つこと、かゆみやにおいを少なくすること、もつれや痛みを防ぐこと、その人らしさを保つことにつながる大切なケアです。
髪の長さは短めの方が介助しやすいと感じることも多くありましたが、本人のこだわりも大切にしたいところです。迷ったときは、施設や病院の方に相談しながら、本人にとって負担が少なく、その人らしく過ごせる方法を考えてもらえたらと思います。

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