入院・入所中のご家族の洗濯物を受け取ったとき、思った以上に汚れていて驚いたことはありませんか。「ちゃんと見てもらっているのかな」と不安になる方もいると思います。
私は長く、病院や施設でベッドで過ごすことが多い方のケアをしてきました。ご家族から洗濯物のことでお叱りをいただいたとき、事情をお話ししてひたすらお詫びするしかなかったことも、一度や二度ではありません。今回は、現場にいた立場から、服が汚れる理由と、ご家族にできる備えをお伝えします。
服が汚れる理由は、排泄だけではありません
汚れと聞くと、おむつ交換のときの排泄物を思い浮かべる方が多いと思います。実際には、次のようなことも日常的に起こります。
・嘔吐
・食事や内服(薬)を嫌がったときの吐き出し
・ご本人がベッド柵などに手足をぶつけてできた傷からの出血
ご本人に悪気はなく、病気や体調のために起こることです。スタッフが気をつけていても、すべてを防ぐことはできません。
病院や施設でできること、難しいこと
汚れた衣類は、下洗いや脱水をしてから戻す場合もあれば、洗濯をしてからご本人専用の入れ物に入れておく場合もあります。対応は施設ごとに違い、同じ施設でも、汚れの程度や担当するスタッフによって変わることがあります。
基本的にはご家族に洗濯していただく形のところも多く、きれいな状態でお返しするのが難しい場合もあります。受け取りまでに日数があくと、汚れが落ちにくくなることもあります。
また、洗濯のルールや費用の扱いも、病院や施設ごとに違います。入院・入所のときに、「洗濯はどうなるのか」を一度確認しておくと安心です。
汚れたときの連絡について
私が現場にいた頃は、衣類が汚れたからといって、毎回ご家族に連絡することはしていませんでした。日々たくさんのことが起こる中で、すべてをお伝えするのは現実的に難しかったからです。
一方で、現場を離れて家族の立場で考えてみると、「連絡がほしかったな」と感じます。何も聞かずに汚れた服だけ渡されたら、不安になって当然です。ただ、ご家族の中には「そんなことで連絡しないでほしい」という方もいて、希望は本当にさまざまです。
だからこそ、ご家族の側から伝えていただけると、お互いに助かります。
- 入院・入所時や面会のときに、汚れたときの連絡の希望(連絡がほしい、報告は不要など)を伝えてみる
- 気になることは、洗濯物を受け取るときに看護師や職員に聞いてみる
病院や施設によって対応は異なりますが、伝えておくと配慮してもらえることもあります。
汚れた服が戻ってきたときに
服の汚れは、ケアが行き届いていないわけではなく、病気と向き合っているご本人の、日常の一部です。汚れてもよい服を多めに用意しておく、洗濯物は早めに受け取る。それだけでも、ご家族の気持ちはずいぶん楽になります。
ご家族の目に見えない日常を、こまめにスタッフへ確認することも、安心につながります。心配なことがあれば、遠慮なく声をかけてみてください。
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